グルグルの杜(仮)

海外ドラマなどの感想とぶしむす肌目指すブログ

映画「ハンナ」を見た感想

ケイト・ブランシェット出演作のため見た映画。
 
好きな作家さんの本はほぼ全作品読むし、
映画も好きな監督の映画はほぼ全て見る。
 
でも俳優さんが出ているだけで見るかというと、見ない。
いくら好きでも脚本や演出がイマイチで、途中で見るのをやめた映画がいくつもあるから。
 
映画自体がアクションなどの好みじゃなくても、ケイト・ブランシェットの演技を見ているだけでも楽しいし、今のところおもしろくない映画にでているのを見たことがない。
(ちなみに日本の女優さんでは、松たかこさんの出演作ははずれがないと思う。)
 
本作ではかわいい主人公によるプロ戦闘集団との前半のアクションと、ケイト・ブランシェットのヒールっぷりが見事だった。ただストーリーはいまいち。
 
見方によってはグッドエンドなんだけれども、爽快感はなく重たい感じ。
残虐な人殺しのシーンもあるので、そういうのが苦手な方は見ないか、早送り推奨。
 
 
 
ここからはネタバレを含みます。
 
1. かわいいけれど得体の知れない主人公
3.重たいグッド・エンド
 
 
1. かわいいけれど得体の知れない主人公
主人公がかわいい。そして得体のしれない、本人も名前しか知らないらしい。
世間と隔離された山奥で暮らすハンナは父に、戦闘と暗殺の技術を叩き込まれる。これって児童虐待なんじゃ、と思う。後でハンナを守り生き残るために鍛えたことを知るんだけど、もうちょと他にも教えることあったんじゃと思う。
 
ハンナの動きが人間離れしていて、特殊部隊(多分)といったプロの戦闘集団にも互角の立ち回りを
演じるし、動いている車の下につかまったりと、能力が高すぎ。
いくらなんでもそれ無理じゃないか、中身はターミネーターかいと言いたくなること続出。
でも幼い頃からの特訓だけではなく、なんかありそうと思っていたらDNAをいじられていたらしい。そうじゃなきゃ説明つかない動き。でも後半は見せ場が少なかった。
 
 
2. そんなハンナを追い回すのがケイト・ブランシェット演じるCIA
多分、専用機に乗っていたし莫大な費用がかかるプロジェクトの責任者だから、かなり上の人なんだろう。昔ハンナの母親を殺し、今も執拗にハンナを追っている。
 
ケイト・ブランシェットがヒールを完ぺきに演じてましたわ。
顔の形は笑っていてもずっと目が笑ってなくて、唯一楽しそうだったのは、ハンナの戦闘を見ているとき。人への共感性が低いみたい。
(のちにわかるけれど、それどころか人間を実験台にして抹殺する冷血非道だった)
 
演技上手いなぁと感心したシーンはハンナの祖母の家に殺しにいった時のこと
「あなたは子供がいるの?」と聞かれ
嫌悪感か苛立ちか、両方を含むような表情をする。一瞬だけ。
血も涙もなさそうな冷血漢がこの質問で心が動くんだ、という意外性と人間味が見れて興味深かったのと同時に、自然にやってのけるケイト・ブランシェットすごい。
 
 
3.ちょっとした青春と重たいグッドエンド
初めて父以外の人に接し、見知らぬハンナを助ける風変りだけど温かい家族に接し、笑顔を見せるハンナがめっちゃ可愛い。でも執拗に追ってくる側はハンナに関わった人を容赦なく殺していく。
遺伝子を操作することで身体能力には抜きんでるが、感情に損失がある(ちょっとうろ覚え)子供のうち、唯一の生き残りとなったハンナ。
 
ハンナが自由になるには、プロジェクトの責任者でハンナの存在を唯一知る、ケイト・ブランシェットを殺すしかないねぇと思ったら、そうなった。
そしてハンナに殺される直前、最後のケイトの意味深な笑いはハンナは自分の創作物だという驕りに見えて、最後まで見事な悪役でした。
 
まあ、ハンナは親の仇もうてたし、もう追ってくる人間はいないだろうしある意味グッド・エンドな感じだったけれど、人間を遺伝子操作したり、殺戮者に育てたりと闇が深い上、初めての友情や人の親切を感じさせてくれた家族のことを考えると、「終わってもため息しか出ない」という家族の感想がピッタリだ。映像もスタイリッシュで面白いんだけど、後味はあまりよくない。あと前半のアクションが面白いのに、後半はなんだかトーンダウンしちゃったのが残念。
 
 遺伝子操作されたある意味「欠損」のある少女と、操作もされていない「人間」なのに目的のために冷酷に人を殺していくCIAの対比を描きたかったのかね。それに深読みすると、遺伝子操作された人間が、子を成していったらどうなるんだ。大丈夫なのか?という疑問もぬぐえず。そんな感じで登場人物はカッコいいけれど、なんだかすっきりしない映画でした。(それが監督の狙い?)
 
 
ところで、ハンナと共に旅してた風変りな家族、いい。
母がケンブリッジ出の人類学者らしいけれど、キャンピングカーでモロッコ?あたりからスペインーフランスと旅行をしていた。
ヨーロッパでは一般的なのかな。
キャンピングカーの旅、あこがれる。
 
映画『ハンナ』(2011年)